海底の年輪
海洋性堆積物がどのように積もっていくかは、
海の中でも軽いものほど遠くに飛ぶ
と
もっと細かい粒はどこまで飛ぶ?
でおはなししました。
ところで以前、海洋地殻の一生で、
海洋地殻は動いている、というおはなしをしました。
動いている方向は、大陸地殻の方向です。
ここで、次の2つの現象の、足し算をしてみましょう。
・海洋地殻に積もるもの(海洋性堆積物)は、
大陸から遠ざかるほど粒が小さくなります。
・海洋地殻は、大陸に向かって動いています。
つまり、遠く沖の海底に積もった細かい粒は、
いずれは大陸の近くまできますね?
そして大陸に近づくほど、
粒の大きい土砂が積もります。
これらの足し算の結果、
海洋性堆積物はどうなっているでしょう?
そうです。
下にいくほど小さい粒になっていきますね。
しかも、下にいくほど、積もった時期が古いです。
まるで、海にできた年輪のようですね。
木の年輪が、その当時の気候変化などを刻んでいるように、
海の年輪も、積もった当時の環境を 克明に記録しています。
たとえば、次のような例があります。
やけに赤い色をした 海洋性堆積物が見つかりました。
この赤を調べると、錆(さび)でした。
錆は、鉄分と酸素がくっついてできます。
このことにより、地球の歴史上、
今よりもたくさん酸素があった時代があった、
ということがわかったのです。
地球も、自分の成長の記録を、
いろいろな場所に残したいのですね。
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