2016年11月22日福島沖の地震と津波のナゾ
2016年11月22日福島県の富岡町や楢葉町の岸から東に40kmほど沖の海底下で地震が起き、津波が発生しました。
この地震は、3.11の余震と発表されていますが、いわゆる海溝型地震(海洋プレートの沈み込みの力に、大陸プレートが耐えられなくなり跳ね上がる)ではありません。
3.11のせいで現在、東北地方を乗せた大陸プレートが東に引き延ばされているのですが、そのせいで大陸プレートの端っこのほうがバリっと正断層型に割れることで起きた地震です。
2011.3.11東北地震から5年後の2016.11.22の地震でしたが、
1933.3.3昭和三陸沖地震から5年後の1938.11.16にも、
まったく同じタイプの地震が、今回とほぼ同じ場所で起きています。
発生間隔のみならず発生月も一緒なのは偶然でしょうし、そもそも昭和三陸地震はアウターライズ地震であり311とは別タイプですし、1938年11月6日の正断層型は、福島沖で頻発していたM7クラスの地震の1つに過ぎないのでいい加減なことはいえませんが、研究者の方には、海溝型の巨大地震→福島沖の正断層型地震の関係性についての研究をさらに進めていただけると嬉しいです。
本題に戻ります。
気象庁の最新発表(11/22時点)によると、震源は深さ24kmで地震の規模(気象庁マグニチュード)はMj7.4でした。
(平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震について(第79報)(気象庁)から引用)
速報はどうだったかというと、深さ10km、Mj7.3です。
解析もしてないので正確なことが言える立場ではありませんが、深さ10kmのほうが、津波の発生具合からみてしっくりきます。
防災科学技術研究所のF-net(広帯域地震観測網)では、
(防災科学技術研究所サイトから引用)
のとおり、震源の深さは11km、Mw7.0です。
F-netでもちいているマグニチュードはモーメントマグニチュード(Mw)で、気象庁マグニチュード(Mj)と計算方法が違いますから、この数値が違っても納得です。
問題は、深さです。
F-netによる解は、気象庁の最新発表ではなく、速報に合致しています。
まぁ、F-netも速報っちゃ速報なのですが。
ちなみに、アメリカ地質調査所の解析結果は、防災科技研のF-netに近い解でした。
(USGSサイトから引用)
ところで、
「そもそもなぜ震源が機関によってこんなに違うの?」
と疑問を持たれた方は、「震源は見えないので推測して決めている」をお読みください。
さて、1938年11月6日の同タイプの地震では、Mj7.4、深さ10kmで津波が観測されています。
2016年11月22日の地震もMj7.4であり、震源の深さが10km前後であれば、1938年に観測された津波と酷似するはずです。
気象庁がいったいどういう解析方法を採ったのかは不明ですが、発表した震源によって今回の津波が確かに発生しうるか、1938年11月6日の津波との類似性はどうか、ぜひ検証していただきたいです。
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