軟弱地盤を探せ~日本シームレス地質図~
産業技術総合研究所が、スバラシイ資料を公開してくれている。
20万分の1日本シームレス地質図®だ。
地質図に慣れ親しんでない人にとっては、まったく意味不明の産物であろう。そこでここでは、「20万分の1日本シームレス地質図®」で見る軟弱地盤について説明する。
1.自分の見たい地域をできる限りクローズアップする。
2.その場所がもっとも薄い水色であるかを見る。
3.色がよく分からなかったら、クリックして表示(※)される四角囲みの番号を見る。
※PC版の場合は、左下にウインドウが出る。モバイル版の場合はクリックした場所に直接表示される。
4.四角囲みの番号が1であれば、軟弱地盤である。
この地図の「1」とは、主に海や河川などに堆積した一番新しい(といっても、1万8千年~現在)層なのである(ただし一部、風で飛んできて溜まった層もある)。海岸地域や河川のごく近傍にお住まい方は自分の家のあるところが「1」であるのは想像に難くないであろう。しかし盲点は、海岸や河川から遠く離れた内陸である。
例えば、日本一広い平野・関東平野は群馬で高崎の手前、栃木で宇都宮の手前までこの「1」が入り込んでいる。海が遠いと思っている土地も、昔は海が目の前だったのである。
もっといえば、海の底だった土地もゴロゴロある。
埼玉県人なら「大宮は昔、海だった」と聞いたことがあるだろう。その通り、例えば6千年ほど前には「縄文海進」といって、温暖化のために海水面が上昇し、海が内陸まで進んで大宮は海の底であった。
現代の人が日常、今住んでいる土地が1万年前にどういう状態だったなんて考えることはない。だが、この地質図の「1」を見つけるだけで「私の住んでるところは昔、水の中だったんだ」とわかるだろう。
ちなみに、埋め立て地は白「190」で表現されている。場所によってはまだ調査途中のせいか明らかな埋め立て地も薄い水色「1」の表示がなされている。東京湾岸などは調査が進んでおり、「え!?こんなところも埋め立て地!」というのが見えて、オモシロイ。
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