一度はまったら抜け出せない、天然のコンクリート
今回も火山灰のおはなしです。
「火山灰、積もるとサラサラ~」
というのを体感したことがある人、
けっこういますよね。
桜島では日常茶飯事。
数十年前でいうと1980年代の浅間山の噴火は
関東全域に火山灰が降ったから、
かなり多くの人が記憶にあるかもしれません。
砂場で遊ぶように、普通に楽しんだことでしょう。
ところで、遊び道具の火山灰、
これ、水が加わると大変なことに…
これは、有珠山での経験です。
2000年3月、まだ雪の多く残る道東の洞爺湖温泉町。
そのシンボルでもある有珠山が噴火しました。
あの噴火では火山灰が分厚く降り積もりました。
そう、雪の残る地面に。
火山灰+水 です。
まさかあんなことになろうとは夢にも思わず、
つい普通に車から降りた筆者たち。
ぐちょぉ…
足がゆっくり、ずぶずぶっと沈んでいきます。
小さい頃、イタズラしたあの感覚。
「立ち入り禁止」と書かれた敷きたてのコンクリートに、
足形や手形を残したあの感覚。
「マズイ!」と思ったときには時すでに遅し。
勢いよく足を引き抜こうとしたら、
みごと靴だけがそこに残りました。
すったもんだして、なんとか観測を終え宿に戻る。
ふと足元を見ると、灰色の固まりがゴツゴツと
こびりついています。
水分が飛び、固まりました。
コンクリート靴のできあがりです。
登山用ブーツの底の深い刻みにも
しっかりと型どおりに灰色が入り込んでいます。
けそういえばあの火山灰はどうやってどけたのだろう。
数年後に正常化した町にお邪魔したときには、
すっかり町は観光地に戻っており、
人々の顔も元気になっていた。
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[…] 町中を覆い尽くした状態です。 その様子は、前回の投稿をご参考。 有珠山観測隊だった筆者は、 […]