断層地形の見分け方4

2019/04/29

ガンが飛ぶようにきれいに並んでいる断層を
雁行断層(がんこうだんそう)と呼んでいる、
というおはなしをしました。
その断層たちが横ずれを起こすとどうなるでしょう?
複数の断層が一カ所に固まってある場合、
あっちは右ずれ、隣は左ずれ、こっちは縦ずれ、など
ひっちゃかめっちゃかに動くことはありません。
みんな、おなじように右なら右にずれます。
ということで、雁行断層が横ずれを起こしたとしましょう。
そのとき、この場所の地形はどうなるでしょうか?
以前、断層地形の見分け方3で、
凸凹(でこぼこ)の(でこ)のおはなしをしました。
この記事で掲載した絵を再掲します。
snap_geop_201056181947.jpg
これは、電車が急に停まったときに、
人々はどうなるか、という絵でした。
ここにあるとおり、ムギュゥと集まると集まったその部分は、
凸凹になる、ということでした。
では、人々がいなくなった場所はどうなるのでしょう?
そうです、絵の通り、スカスカになります。
これが、並んだ雁行断層のそれぞれで起きるとどうなるでしょう?
この絵を見て、想像力を働かせてください。

断層AとBの間、つまり
矢印が←→となっている場所に注目してください。
断層Aの左ずれでスカスカ、
断層Bの動きでもスカスカ。
ってことは、その場所は、スッカスカになりますね。

そうなんです。
これが、先におはなしした凸凹(でこぼこ)のうちの
凹(ぼこ)のおはなしなんです。
このような地形を現地だけで判断するのは とても難しいです。
というより、前情報をなにも持たずに 現地で判断するのは不可能です。
窪地はあらゆる場所にありますし、 その成因はさまざま。
また、窪地の大きさも人が肉眼に収められるものから、
飛行機からじゃないとわからないほど大きいものまで、
大きさがまちまちだからです。
ということで、これらの地形を見つける場合もやはり
以前おはなしした活断層データベース
調べてから行ってください。
ポイントは、アナタが旅行する地域に
1.雁行断層があること
2.雁行断層が横ずれ断層であること
です。
実際の例は、いつものように次回でご紹介します。