JAMSTEC『地球大変動』に参加して
1ヶ月ほど前、JAMSTEC(海洋研究開発機構)のシンポジウム『地球大変動』に参加した。
ここで発表した研究者の本は何冊か最近読んでいたので、自分にとっては少々予習しすぎたシンポジウムとなった。
しかし、それが良かった。
発表者の話のより深いところまでわかったからだ。
つまらない能書きはさておき、このシンポジウムで「A.嬉しかった点」「B.残念だった点」をあげたい。
しかも各々は「1.主催者側」「2.参加者側」の視点からあげるので、4象限から考察することとなる。
A-1.嬉しかった点(主催者側)
・オーラルとポスターの両方の発表があった。
・ボーリング資料の本物を展示してくれていた。
・シンポに無関係のJAMSTEC広報誌等を無料配布していた。
・発表内容が素人向けすぎなかった(それなりの難易度だった)
・1人当たりの発表時間が適切だった(50分/人)。
・発表者に偉そう感がまったくなかった。
・発表者がみな仲よさそうだった。
・挙手の質問に真剣に答えていた。
・紙で書いた質問の後日返事をくれるというサービス付きだった(※)。
・ポスター発表者が真剣に参加者の相手をしていた。
・ポスター発表時間が2回あった。
・会場壁際に荷物置き場を設置してくれていた。
A-2.嬉しかった点(参加者側)
・満員御礼だった。
・途中退席が少なかった。
・挙手の質問が積極的だった。
・ポスター発表も真剣に聞いていた。
・ポスター発表に真剣に質問していた。
・著作物を買っている人が多かった。
・意外と「いたた」な質問が少なかった。
・オーラル発表者のギャグに笑っていた。
・参加者の知的レベルがそれなりに高そうだった。
B-1.残念だった点(主催者側)
・参加者席前方が全部プレス席だった。
・会場内誘導(空いてる席の指示とか)がイマイチだった。
・配付資料にもう少し発表内容を盛り込んで欲しかった。
・同様のシンポジウムの年間計画を教えてもらいたかった(昨年の例でもOK)。
・会場をもっとメジャー駅(東京・新宿・渋谷・池袋)に近い場所にしてもらいたかった。
・発表者と話せる時間が欲しかった。
・参加者に比し男性トイレの数が少なかった。
B-2.残念だった点(参加者側)
・やけに平均年齢が高かった。
・男性比率が高かった。
・女性出席者の大部分が、夫につきあって来た妻っぽかった。
・そういう妻(らしき人)は途中から寝てしまっていた。
・プレスがいい時間(質疑応答)になるころにはほとんど退散していた。
というわけで、全体として大成功の会だったといえる。
「研究者って、こんなに親切なんかい!」
と、なぜか突っ込みを入れたくなるほど親切であった。
研究者などだいたい、人とあまり接したくないから研究職を選んでいるだろうに。
それが、こんなに一般人と接触し、不特定多数からの質問に真摯に丁寧に答えてるなんて。
あ、上手に渡り合えているのはオーラルの人々で、ポスターの人々は、明らかに「こりゃ営業はできんタイプやな」という人々で、必至に額に汗して一生懸命わかりやすい説明を心がけていた(で、わかりやすかったかというと…今一歩であろう)。
これほどまでに参加者志向の会を開けるとは大したもんだと思うと同時に、研究者にも民間企業並みのコミュニケーションレベルが必要な世の中になってきたのかと、その皮肉にと遠い目をしてしまうような会でもあった。
※なお、この印部分については、次のエントリーで詳説する。
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