教育がすべて

2019/04/29

以前から感じていたこと。
地球から我々は生まれた。
地球に我々は住んでいる。
地球がなければ我々は生きていけない。

なのに、
地球について広く当たり前に、必要十分に、
そして平等に知れる機会が、日本人にはない。

これを矛盾と言わずして、なんと言おうか。
1995年の兵庫県南部地震で教訓を得たはずの日本。
しかし、10年以上たち、地球科学の教育現場は変わるどころか衰え、
3.11以降では不信感さえもたれている。
産業に直結しない学問だから、人々が直接の恩恵を得られず、
それゆえ接する機会もないが為に疑心暗鬼になっている面もある。
ところが、数学・物理・化学・生物はどうだろうか。
生物はイメージ的に医学につながるので人々はとくに何の疑問も持たないだろう。
それ以外の教科で、日常生活に直接的に役立っている、
産業に直結する学問はあるだろうか?
もし全国民にアンケートを採れたら、
「ない」「わからない」と答える人が多いのではないだろうか。
筆者は恩師・同僚等周囲の人々に恵まれたおかげで、
どの科目も生活に密接していることをもちろん知っている。
しかし、日本人のなかには、これら学問と自分にどうつながりがあるのか、
実感が持てない人が多いのが現実であろう。
時間割に週1回以上登場するこれらの科目でさえこんな有様だから、
地球科学(地学)などなおさらであろう。
果たして、小学・中学の理科で今、地球科学(地学)を
どのくらい扱っているだろうか。
筆者の時代(ン十年前)は少なくともプレートテクトニクスは教わった。
高校はどうだろうか。
もはや地学が時間割に含まれる学校は化石とかしているのではなかろうか。
そのせいで、センター試験の地学は文系の人が、
「暗記だけでなんとか切り抜けられそうだから」
という理由で選んでいたりする。
自分が家を選ぶとき、
家(部屋)の内外装をチェックし、管理システムを入念に調べ、
周囲の環境を確認し、自分の生活に支障がないか、
誰もが気にするところである。
なのに、自分の住処である地球については、
積極的に知ろうとする人は、ごくごく一握りである。
住まんとするところをノーチェックで住んで、
後悔しない人は、きっといない。
後悔しないために、自分の生活を守るために、
まずは「知る」ことが大事である。
地球についてもまったく同じであろう。
とくに日本は、地球上でもかなりの危険地帯であるのだから、
危険と分かっていながらそれを知ろうとしないのは愚の骨頂である。
いや、それ以前に、「知らなければならないこと」ということにさえ、
気づかされていないのかも知れない。
そう、教育の機会が与えられていないから。

このギャップを苦々しく思っているだけでなく、
このギャップを解消するために、筆者は立ち上がりたい。
今現在も立ち上がりつつあるところではあるが、
立ち上がって、さっさと歩き出したい。

辛口・毒舌の筆者であるが、
関係者のみなさまにはどうかご理解・ご協力いただきたい。