2016年熊本地震についての予測の検証(速報)

2019/04/29

アナタもできちゃう!地震予測2 図解バージョン」を開発した、地震学者の小泉尚嗣さん(滋賀県立大学)から、「2016年熊本地震についての予測の検証~2016年4月16日午前10時時点~」と題して、“確率論から作った誰でもできる予測”と、“某M元名誉教授の予測”について、検証結果をいただきました。
ただし、熊本地震と命名された別府島原地溝帯で起きている一連の地震活動はまだ終息したとはいえず、あくまで2016年4月16日午前10時時点であることをご了承ください。
別府島原地溝帯

—–小泉氏検証 ここから—–
「2016年熊本地震についての予測の検証 ~2016年4月16日午前10時時点~」小泉尚嗣(滋賀県立大学)

4月16日の午前1時25分に熊本県でM7.3(暫定)の地震が発生し,九州7県(熊本・福岡・佐賀・大分・長崎・宮崎・鹿児島)と山口県・愛媛県で震度5弱以上の震度を記録し,高知県でも震度4を記録しました.4月14日から始まった一連の熊本県(~大分県)の地震では 4月16日午前10時時点でこれが最大の地震ですので,この地震について,「アナタもできちゃう!地震予測2 図解バージョン」と3月6日時点でのJESEA予測の検証を行います.

■「アナタもできちゃう!地震予測2 図解バージョン」の予測の検証
(サイト管理者注:こちらは、確率論から作った誰でもできる予測です。)
2016年の震度4以上の地震の1年予測で,宮崎県で「赤(確率70%以上)」,福岡・佐賀・大分・熊本・鹿児島県・愛媛県・高知県で「黄(確率30-70%)」,長崎県・山口県で「青(確率30%未満)」としていました.
結果として,宮崎県で当たり長崎・山口県で外れ,福岡・佐賀・大分・熊本・鹿児島県・愛媛県・高知県では当たったとも外れたとも言えません.
(なお,鹿児島県島嶼部は,今回の地震で震度4以上を記録していないと考えられるので検証の対象とはしていません).
3ヶ月予測(4-6月予測)では,九州7県と山口・高知・愛媛の3県すべてを「青(確率30%未満)」としているので,すべて外れたことになります.
*当然のことですが,予測というものは,予測期間を延ばせば当たりやすくなり,短くすれば当たりにくくなります.

■JESEAの3月6日時点での予測(同日のフジテレビのMr.サンデーで公開)の検証
(サイト管理者注:こちらは、GPS観測データからの予測と発言者本人が言い張っているものです)
東北地方太平洋岸,首都圏~静岡県,紀伊半島~四国~大分に,震度5弱以上の地震が発生するという予報をだされているようです.
単純に考えると,大分・愛媛が当たり熊本・福岡・佐賀・長崎・宮崎・鹿児島および山口は外れということになります.

「アナタもできちゃう!地震予測2 図解バージョン」とJESEA予測とどちらが優れているか(あるいは同程度か)ということについては,皆様の判断に任せたいと思います.
—–小泉氏検証 ここまで—–

小泉さんが「みなさまに判断は任せる」と仰っているので、当サイトも判断には言及いたしません。
しかし、これだけは言いたいです。
某M元名誉教授は、当たりやすくなるために必要な2要素期間を長く取る」「範囲を広く取る」は、惜しみなく盛り込んでいます。
これが、予測と言えるのでしょうか。
正直、自分でもできちゃう、と思ってます。